狩野芳崖「悲母観音」を観る

ちょっと前になってしまったが、桜花吹雪の舞う頃の上野公園。

東京藝術大学大学美術館の「芸大コレクション春の名品展」に出かけてきた。

明治の初め、フェノロサや岡倉天心の時代からの膨大な美術品のコレクションの中から、
今回は、「絵因果経」(国宝)、狩野芳崖「悲母観音」(重要文化財)をはじめとした
古美術や近代の名品が展示されている。
(6月24日まで、悲母観音その他の一部については5月13日まで)

なかでも、芳崖が死の数日前まで筆をとっていたという悲母観音は
美術書や教科書でもポピュラーであるが、
フェノロサに「聖マリア像を凌ぐほどのものを」と依頼され、
天心は「過去の名画をはるかに超える」と絶賛したと伝えられる名作である。

この作一点を観るだけにでも、上野のお山に足を運ぶに充分であり、
実物を目の当たりにできた至福のひと時を満喫することが出来たように思う。


東京藝術大学大学美術館、訪れたのは4月の上旬。

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Leica M6, Elmar-M 50mm/2.8, ILFORD XP2 Super

今年の春の名品展にはもう一つの呼び物もある。

浄瑠璃寺吉祥天厨子絵(重要文化財)の特別公開である。
この作品は、洛南浄瑠璃寺の「美女」吉祥天の厨子に描かれた貴重な鎌倉時代の板絵で、
7面の修復に3年を費やし、修復後はじめての一般公開である。(こちらも5月13日まで)

名作、目白押しの展示であるが、こんなものも興味を惹いた。

安井曽太郎の裸婦、男子裸体デッサンは何回かお目にかかったが、
岸田劉生の麗子像ペンによるデッサン。高村光太郎の観音像木型のシャープさには改めて目を見張る思い。
これは大型の写真パネルだが馬上の岡倉天心も、どこかで観たことがあるが面白い。
by kurakame | 2012-05-01 07:30 | TL2 | Comments(2)
Commented by belage at 2012-05-01 16:54 x
今回のボストン美術館展を見てフェノロサ、岡倉天心の偉大さを
改めて感じ入った次第です。本展はまた今週再訪する予定です。
すっかりはまっちまいました(苦笑)
Commented by kurakame at 2012-05-01 17:31
belageさん、こんにちは。
明治の初めに活躍した多くの人物は、みんな若かったのに改めて感心しますね。
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