1660mm/8 直焦点で師走の上限の月(月齢7.9)




師走も残り少なくなって、ようやくの冬型気圧配置。

太平洋側は快晴の宵の空に上弦の月が輝いていた。


光軸調整中の自作反射望遠鏡でのテスト。

まだまだ未完の画像であるが、もともと主鏡の光軸調整の仕組みがいい加減なので、なかなかドンピシャリとはいかない。


主鏡は口径20cm 焦点距離 1660mmなので f=8.3。’52年製の木辺鏡(more参照)である。


1660mmの直焦点では、フルサイズセンサーでこの大きさに写る。ノートリミング。

c0156404_19224030.jpg

NIKON D600, SKM"372" 1660mm/8.3, f 8.3 1/1000, ISO 1250, WB6000K.
2015/12/19. 16h47m








木辺成麿さん。戦前から戦後にかけてコンピューターも無い時代に
天体望遠鏡用のミラーの手磨きで数多くの銘鏡を製作された。

本職は格式高い真宗木辺派の住職で、天文関係者たちは気軽に木辺さんと呼んでいたが、
どうやら高貴な血筋につながる家柄で、宗教界ではおいそれとはお会いできない方であったようだ。


1952年、当時高校生であったkurakame天文少年は、
戦後の日本で、手に入り難かった鏡材のパイレックス(今では著名なメーカー)を在米の知人に依頼して入手。

パイレックスは普通のガラスに比べて熱膨張率が小さく、
温度変化に敏感な鏡面には最適とされていた。


同郷で、父の知り合いでもあったその木辺さんにお願いして口径20cmの反射凹面鏡の研磨を依頼することになる。


鏡面研磨には上下2枚のガラス材が必要なので、20cmのパイレックスガラス(厚さ25mm)を2枚入手したのだが、
木辺さんはなかなか手に入らない(当時)パイレックスなので、
研磨の土台の方は普通のガラスを使用することにして1枚は譲ってほしいと云われてそのようになった。

相方のもう一方のパイレックス20cm木辺鏡は、
上野の科学博物館で活躍されていた小山ひさ子さんのもとにいったとか、のちに噂で聞いた記憶がある。


鏡面が出来上がって、お寺の一画にあった工房にお邪魔した。

パイレックスは堅いので完璧には磨き切れていないが性能は充分だと云われて、
ガラス切りで木辺成麿作と側面にサインしていただいた。

SKM”372”である。木辺鏡は400近く製作されたようなので、かなり後期の作であることになる。


木辺さんが晩年川崎天文同好会の川村さん宅に立ち寄られた折に、
近所でもあり、川村さんにお声を掛けていただき、歓談させていただく機会があった。

小生のことも、父のことも良く覚えていただいていた。
by kurakame | 2015-12-20 07:00 | D600 | Comments(0)
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