二子神社 - 岡本かの子文学碑





東急田園都市線二子玉川駅から川向の川崎市側の駅が二子新地である。

名前のごとく、かつては新地ー三業地ーの歓楽街があったようだが、戦前なんてとんでもない、
江戸時代、まだ玉川の渡しがあった頃、大山街道の旅人や渡しの役人の慰労のために出来たという。

今、その面影はほとんど見られないように思えた。


その二子新地の多摩川沿いの小さな森の中に、ささやかな、しかし由緒ありそうな鎮守の神社がいくらかの大樹に囲まれている。

しばらく見ていると、地元の方だろうか、通りすがりの何人もが丁寧に拝礼して通り過ぎていく。
これはきっと地元に密着した神社に違いないと思われる。二子神社とあった。


そういえば、社殿は小ぶりで地味な感じだが、立派な鳥居がそれを物語っているかのようだ。

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神社の脇の小さな広場の片隅の、ちょっとした築山の中に、太郎さん(岡本太郎)の彫刻が建っている。

この地の出身という歌人岡本かの子の文学碑である。

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解説によると、地元有志の発意により、モニュメントを画家・彫刻家 岡本太郎が、台座と築山は建築家 丹下健三が担当した。

岡本太郎はかの子の子息であるから当たり前だが丹下さんが加担していたとは知らなかった。
70年万博のころの両者の付き合いからだったのだろうか。

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さらにビッグネームが続く。

碑文は文芸評論家 亀井勝一郎によるもので、川端康成の書によっている。



玉川堤下の道路からはこんな状況である。

モニュメントは太郎自身によって「誇り」と命名されている。(昭和37年)

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Leica T, Voigtlander Ultra Wide-Heliar 12mm/5.6
by kurakame | 2016-07-12 07:14
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